『青少年を教育改革の中心へ』

（IYF機関紙「Perspective」2003年3月号より抜粋）

多くの知識と経験を共有すること。教育改革に対する新しいアプローチを探すこと。これらは、ルーセント・テクノロジー財団の支援のもと、2002年7月にメキシコ・シティーで開催された「教育フォーラム（Forum on Education）」の中心的議題でした。18の国と地域から、教育問題に深く関わっている人々が参加しました。参加者は皆、青少年育成における最も困難だが、重要な問題領域に取り組むために集まりました。それは、いかにして「青少年に対する教育機会を改革し、向上するか」という問題です。

この会議において特に強調されたポイントは、これまでしばしば軽視されてきた、「教育改革の中心に青少年を据えること」の重要性でした。このような、青少年を中心に据えたアプローチは、地域、国、そして、国際的なレベルで行わなければなりません。このような改革は、従来の教育システムの外に身を置く組織の活動でなければなりません。つまり、従来の教育システムとの深い関わりを持ちながら、独立した支援基盤と地域社会との緊密な関係を持つNGO/NPOのような組織のことです。

教育改革は学校内だけでなく、学校外における学習機会もその対象とし、生徒をはじめ、先生、家族、NGO/NPO、地域社会の住人、行政関係者、これら全ての人々が改革のプロセスにおいてそれぞれの役割を持つということを、会議の参加者は同意しています。また、青少年の成長に対する今の一般的な、大人が持つ考え方に注意を向ける必要があり、そうした過程において、学力を中心としたものから、より良く生きるためのライフスキルを含めた、より広範囲な能力を育てるといった考え方へと移行していく必要があります。

メキシコで開催されたこの会議によって、青少年を中心とした教育改革の枠組みを提供することができ、この枠組みによって、教育改革に対する活動を拡充し、評価を行うことができるのです。しかし、まだ多くの未回答の問題があります。

例えば、

• いかにして、政・官・民の政策・意志決定者に対して、子ども・青少年を中心に据えた教育改革の重要性を訴え、理解を得ることができるのか？
• 既存の学校カリキュラムにおけるライフスキル教育の役割・位置付けとは？
• 教育改革におけるNGO/NPOの役割とは？
• いかにして、従来の教育システムに変化をもたらすのか？
• いかにして、私たちは、子ども・青少年自身の教育や学校に対する関わりを支援するのか？

といったことです。

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