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特定非営利活動法人 青少年育成支援フォーラム(JIYD)

Panasonic & JIYD 子どもサポーターズ☆マッチング基金

NPOの基盤強化を支援し、子どもの健やかな成長を一人ひとりが応援する社会へ

■事業趣旨:NPO支援と寄付文化の浸透を目指して

よりよい社会実現のため市民が参加運営するNPO活動は、政府や企業には真似のできないきめ細やかで素早い草の根レベルの対応が注目され、評価を受けています。その一方で、認知度の低さから十分な資金や人材を確保できず、持ちうる力を発揮できないNPOがいくつもあることも事実です。

松下電器産業(株)とJIYDは、そのようなNPOがより充実した活動を展開できるように、組織体制の整備(基盤強化)支援を目的とし、2001年より協働して「子どもサポーターズ☆マッチング基金」を創設、運営してきました。この事業では、市民からの寄付を募集し、それに150万円を上限として松下電器が寄付額と同額を上乗せ(マッチング)、その総額を最適な団体に助成します。寄付を通して市民一人ひとりがNPO活動を応援するという寄付文化の浸透が、当事業が目指すもうひとつのテーマです。

当基金では資金提供後の助成団体とのコミュニケーションも重視し、運営上の課題解決や、ホームページや報告会を通じての助成報告を行っています。

■実施内容:NPOの「基盤強化」とは

この事業が目指すのは、青少年育成NPO/NGOの「基盤強化」です。2003年度の助成先を例に、私達が考える「基盤強化」をご説明します。

  1. 事業の質的向上:主に在日ブラジル人の子どもを対象に、ポルトガル語やブラジルの文化を伝える活動を続ける神奈川県川崎市の「Grupo ABC」は、日本で暮らすブラジル人の子ども向けに特化した教材の制作事業を実施します。日本の身近な植物や食べ物、気候、文化に関連づけた教材は、子ども達の語学や文化の理解習得に大いに効果を発揮すると期待されます。
  2. 事業の深化・発展:大阪府茨木市を中心に活動する特定非営利活動法人「エスビューロー」は白血病患児の親達が運営する団体で、「患児の大切な命」を中心に、家族と医師、看護士ら医療従事者との相互理解の橋渡しを行っています。今回助成を得て構築する、白血病に関する子どもにもわかりやすいホームページは、白血病に関する広報活動をより発展させると共に、エスビューローの認知と、利用者・支援者の拡大につながる好機になると期待されます。

■成果:2004年度は6件の助成を決定

本年度の基金に関する事業は予定通り実施され、医療と子どもにかかわる事業、2003年度に引き続き在住外国人の子どもを対象にした事業、地域の居場所や学び・体験の機会を豊かにしようという取組みに関する申請をいただきました。その結果、6件の助成先を決定しました。(助成先事業についてはP.16を参照)

■Panasonic & JIYD子どもサポーターズ☆マッチング基金 2004年度事業概要

申請団体の地域分布:北海道・東北=2件(3%)、関東=28件(39%)、甲信越=1件(1%)、東海・中部=6件(9%)、近畿=23件(32%)、中国・四国=7件(10%)、九州=4件(6%)

申請団体の有給職員数:0人=14団体(20%)、1人以上5人未満=44団体(62%)、5人以上10人未満=9団体(13%)、10人以上=4団体(5%)

申請団体の年間事業予算額の分布:250万円未満=17件(24%)、250万円以上500万円未満=5件(7%)、500万円以上1,000万円未満=17件(24%)、1,000万円以上2,000万円未満=17件(24%)、2,000万円以上3,000万円未満=3件(4%)、3,000万円以上=12件(17%)

助成事業の流れ

新年度の事業の実務は、桜の開花あとに始まります。前年度の評価や今年度の事業計画を話し合う会議のあと、6月1日の告知開始にあわせ、パンフレットやホームページを更新します。申請締切りの翌日には申請者の願いと想いのつまった申請書が山のように届きます。審査委員の受け取るコピーの厚みは例年5〜7cmにもなります。9月の初旬に第1回審査委員会が開かれ、審査基準+審査委員独自の視点で丸一日かけて申請数の10分の1程度に絞られます。選ばれた団体全てに事務局スタッフが訪問の上聞き取りをし、10月下旬の第2回審査委員会にて最終的に助成先を決定します。