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特定非営利活動法人 青少年育成支援フォーラム(JIYD)

ブックレット発行事業

“Best Practice”の共有

■事業趣旨:過去4年間の助成事業を振り返る

1999年に米国ルーセント・テクノロジー社とのパートナーシップを皮切りに始まった資金助成事業ですが、2003年末時点で助成額の累計が1億円を越えました。これもひとえに、日本に暮らす青少年を取り巻く状況改善を目指すという趣旨に賛同し、「Children's Hour募金」へご協力をいただいた皆様、そして松下電器産業株式会社の皆様のご支援によるものです。また、ここまで継続することができたのは、審査を引き受けて下さった方々と、当基金の趣旨を理解し申請いただいた皆様のおかげでもあります。

仲介を旨とするJIYDの仕事は、ドナーの意向とNPO/NGOの方々の実状をうまくつなぐことです。その職責を果たすために、NPO/NGOの方々が真に「使いたい、申請したい」と思う資金・基金をデザインできているのか、常に自問するところです。今回、私共の仕事を評価する上でも、「資金提供」という手法の検証という意味でも、これまでの資金提供先のNPO/NGOを再訪し、どのように役立てられたのかを改めて調べることにしました。

■実施内容と成果:団体の想いと努力を支えられたか!?

訪問調査は、過去の助成先のリストを作成し、一つずつ連絡をとり実施しました。質問は2つ。現在の活動状況と、過去に受けた助成が「今となって」どのような意味があったか、という点です。2003年末時点で助成事業が終了している件数は54件。中には3年間の継続助成を受けた団体もありますので、団体数は40団体になります。今回訪問できたのは、35団体でした。

助成事業の成果をどのように捉えるかは議論のあるところですが、今回の調査では、JIYDの目指す「5つの財産」を青少年に届ける結果に近づいたか、そしてその団体が申請事業の定めた目標に向けて具体的に変化、成長できたかどうか、という2つの視点を設けました。

第1の成果について、当事業は一助になっているとの手応えを得ました。助成対象事業の領域は、在住外国人の子ども達の関係や不登校や引きこもり、まちづくり、芸術文化、人権やメンタルケア、そして医療、遊び、青少年の参画に至るまで多岐にわたり、実に多様なテーマとの接点を持ち得ました。

第2の成果も数多く認められました。助成当時はその団体の一事業だったものが、その後法人として独立した団体や、新たな収入機会を増やすことに成功した団体など、順調に成長・発展した団体がいくつもありました。その一方で、残念ながら活動が低迷・停止になっている事業も3件ほどあります。これらの事業は、困難が予測されながらも、社会的受け皿が整っていない新しい領域を支援しているという先駆性や、事業における青年の主導性を評価した結果、選定されたものでした。総助成件数から言えば3%程度の事例ですが、審査基準に忠実である必要性を感じました。

もっとも、助成事業とは資金を提供はするものの、助成した団体の変化や成長は、あくまでその団体の関係者による努力の賜物です。資金提供者は「あとお金さえあれば何とかなる」という部分を補っているに過ぎません。そんな中でも、「JIYDの助成によって鍛えられ、その後の助成事業の実施に役立った」、「助成金を得たことで活動に対する支持を得た思いで、何より励みになった」。そんな言葉をいただけたことは何よりの評価であったと感じています。

■訪問先団体、及び助成年度一覧

地域 訪問先団体 CH LIYD CSMF
99 00 99 00 01 02 01 02
東北 MIYAGI子どもネットワーク            
NPO法人 寺子屋方丈舎            
関東 NPO法人 21世紀教育研究所              
JFCを支えるネットワーク              
NPO法人 バイリンガルろう教育センター龍の子学園              
クレイン・リバー              
NPO法人 芸術家と子どもたち              
子どもの権利条約ネットワーク            
(社)シャンティ国際ボランティア会              
世界の子どもと手をつなぐ学生の会              
ティーンズポスト            
NPO法人 東京シューレ              
東京YMCA “liby”            
NPO法人 日本冒険遊び場づくり協会              
ピースチャイルド東京              
NPO法人 フリースペースたまりば          
NPO法人 文化学習協同ネットワーク              
NPO法人 リヴォルヴ学校教育研究所              
東海 エコアジア              
NPO法人 こどもNPO              
近畿 ウィズ ネイチャー              
(社福)大阪ボランティア協会            
NPO法人 京都子どもセンター              
神戸フリースクール          
NPO法人 シーン            
色彩楽園              
NPO法人 青少年更生支援の会オリーブ              
NPO法人 たかとりコミュニティセンター              
NPO法人 多文化共生センター        
NPO法人 ブレーンヒューマニティー            
中国 アトリエほびっと              
NPO法人 ひろしまチャイルドライン 子どもステーション              
九州 鹿児島高等学校教職員組合 “鹿児島県高校生会議”              
熊本YWCA              
NPO法人 宮崎文化本舗              

CH=Children’s Hour 募金
LIYD=ルーセント・テクノロジーIYF青少年育成基金
CSMF=Panasonic & JIYD 子どもサポーターズ☆マッチング基金

この事業は、ルーセント・テクノロジー財団の助成をいただき、実施しました。